宇治市のOTOWAとは?その意味について考える

/ 8月 5, 2022/ 情報

宇治市にはOTOWA(音羽)とつく企業や飲食店があります。
このOTOWAとは、そもそもどんな意味があるのでしょうか。
その意味について考え、それに関連した話題について解説します。

OTOWA(音羽)というキーワードはもともと人名や地名に使われていた

結論を言えば、音羽という言葉は「鳥や虫のはね。つばさ。鳥。鳥類。羽で作った釣具の浮き」などの音という意味ですが、特別な言葉ではなく、様々な場所で使われています。
鳥や虫がいて、その生息の様子が分かるような場所に用いられたり、地名から人名になったりといった由来で使われている可能性があります。
ただ、調べてみても宇治市の場合のOTOWAは、冒頭のように飲食店や企業の名前に用いられているだけといった使われ方でした。
地名としての音羽は宇治市にはないというのが現状です。

京都にゆかりの多いOTOWA(音羽)

宇治市から京都府全体に視点を広げると有名な場所が二つ出てきます。
それは清水寺の滝と左京区を流れる川です。
清水寺の滝は、音羽の滝(英語のガイドブックではThe Otowa Waterfallと紹介されている)と呼ばれる滝で、ここから流れている水が清水寺の由来になったそうです。
恐らく京都で最もメジャーなOTOWAといえるでしょう。

次に出てくるのは音羽川(おとわがわ)です。
こちらは京都市左京区東部を流れる河川で、比叡山を水源として高野山に合流するまでを言います。
5.4㎞の短い川ではありますが、「比叡の山なる音羽の滝を見てよめる 「落ちたぎつ 滝の水上 年つもり 老いにけらしな 黒き筋なし」」(壬生忠岑 (古今和歌集))と古い短歌にも出てきます。
ちなみにこちらの滝は、先ほどの清水寺の滝とは無関係です。

宇治市には音羽という地名がありませんでしたが、京都まで範囲を広げるとこのように趣深い場所に行き当たります。
この音羽という言葉が宇治の2つの会社と飲食店に使われていたのかもしれません。

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